船底防汚塗料

水和分解型(Seajet 033 など)の塗料はスケルトン層を形成するため、その上に加水分解型(Seajet 039 など)のような 異種塗料を塗り重ねるにはバインダーコートが必要になります。その他、詳しい適正については塗り重ね適正表をご参照ください。

塗り重ね適正表

両方ともに水和分解タイプですが、性能が大きく異なります。

Seajet 033 PREMIUM は、これまでの防汚剤とは違う分野である製薬技術を応用して開発された「selektope®」がフジツボ対策に抜群の成果を発揮しますのでフジツボにお困りの方にお薦めな製品です。

Seajet 033 は水和分解型、Seajet 039 は加水分解型で、どちらも防汚剤として亜酸化銅を使用しています。

水和分解型は係留艇でも効率良く防汚成分が溶出されるため、稼働率の低いプレジャー艇に適していますが防汚剤成分が溶け出した後にスケルトン層を形成する欠点がありました。

加水分解型の Seajet 039 はこの問題を解決しただけでなく、大型船で高い評価をいただいている「シリル樹脂」を採用しておりますので防汚性能もご満足いただけるものになっております。

Seajet 033 は防汚剤に亜酸化銅を使用した水和分解タイプです。

稼働率の低い(係留が長い)艇にも防汚効果を発揮しますが、亜酸化銅の色の関係でくすんだ感じの色相になります。

Seajet 037 は防汚剤に亜酸化銅を含まない加水分解タイプです。

亜酸化銅を含まないため、アルミ艇にも使用が可能で発色の良い色相になります。

※旧塗膜が Seajet 033 の場合、直接、Seajet 037 を塗り重ねは出来ませんので、バインダーのSeajet 015をご使用ください。

製品データシートをご参照ください。

尚、防汚塗料を塗装した後、下架までの最短時間についても、各製品のデータシートをご参照ください。

最長時間は明確に決められてはおりませんが、長期間日光に晒されると、防汚成分の初期溶出速度が遅くなる可能性がありますので1ヶ月以内を目途に下架するようにしてください。

プロペラ用塗料

プレジャー艇や小型船のプロペラは回転数が早く、プロペラの端まで塗装しても遠心力や水流摩擦などで 剥がれてしまう場合があるためプロペラの先端部はマスキングして塗り残すことを推奨します。

部分的に剥れていたり生物が付着したりすると、折角、新しく塗っても性能が発揮できない可能性がありますので、 ご面倒でも全て剥してから塗装をお願いします。

ニューペラクリン PLUSでは、電動ディスクサンダー(ペーパーディスクの場合は No.80~240)の使用を推奨します。

シャフト、キール、ラダー部

シャフトは、ニューペラクリン PLUSを推奨いたします。

素材によって使用塗料と施工方法が異なります。

鋼製の場合

Seajet 013 を塗装後、防汚塗料(Seajet 034、037)を塗装してください。ジンクアノードを設置してあれば亜酸化銅系防汚塗料(Seajet 033、039)も塗装が可能です。

アルミ製の場合

Seajet 020 を塗装後、バインダーコート(Seajet 015)を塗装し、防汚塗料(Seajet 034、037)を塗装してください。(亜酸化銅タイプの防汚塗料はご使用頂けません)

真鍮製の場合

下地処理としてディスクサンダー等で表面を面粗しし、ニューペラクリン PLUS プライマーを塗装した後、防食塗料(Sesjet 013)と防汚塗料(Seajet 034、037)を塗装してください。(亜酸化銅タイプの防汚塗料はご使用頂けません)

塗膜剥離剤

船底塗料であれば、他メーカー品でも Seajet 441 での剥離は可能です。

Seajet 441 は、FRP(ゲルコート)を傷めない優しい成分になっております。但し、旧塗膜の状態や船歴によっては影響が出る可能性もありますので、目立たない部分でパッチテストをすることをお奨めいたします。

専用シンナー

必ず、Seajet専用シンナーをご使用ください。同系統のシンナーでも製品によっては、溶解力の弱いもの、強すぎるもの、乾燥が速すぎるものがあり、使用時及び乾燥後、塗膜に欠陥を生じる恐れがあります。

ハル(デッキ、外板などの非没水部)

Seajet 137 (簡単塗装)

ハケ・ローラーで塗装する場合、扱いやすい1液型アクリル樹脂塗料の Seajet 137 をご使用ください。 塗装の際は、ゲルコート面または旧塗膜面をシンナー拭きし、清水で洗って乾燥させた後にサンドペーパー掛けしてください。


Seajet 132 (プロ仕様)

スプレー塗装が可能ならば、耐候性の良い Seajet 132 をお奨めします。 塗装の際は、まず下塗りに市販のポリウレタン樹脂系サーフェ-サー(下地処理剤)を塗装してから、 仕上げに Seajet 132 (ポリウレタン系樹脂塗料)を塗装してください。 下地処理(シンナー拭き&サンディング)後のゲルコート面に直接塗装する場合は、ミストコート(シンナーを30~40%添加し薄く塗装する方法)を 1から3回程度塗装した後、本塗装を実施してください。 部分的にノンスリップ性を持たす場合には、滑り止め部分以外をマスキングし、 Seajet 137 または Seajet 132 を塗装した直後に専用の滑り止め剤、又は砂を撒いてください。 その後、もう一度仕上げ塗装をする方法もありますが、ノンスリップ性は低下します。

アンダーコート

FRP新艇には、防汚塗料の下塗として Seajet 013 (2液型)または、Seajet 015 (1液型)をご使用ください。オズモシス対策、ヨットの鋼製キールの錆止めを兼ねる場合は、Seajet 013 (2液型) のご使用を推奨します。

アルミ新艇には、Seajet 020 をご使用ください。なお、アルミ艇の場合は、防汚塗料は亜酸化銅を含まない Seajet 037 をご使用ください。

下地と船底塗料の付着を良くするためだけの役割ですが 使用道具や希釈率によっては透け掠れが出ますので、その際は複数回塗装し透け掠れがない状態にしてください。

特に刷毛、ローラーを使用して塗装する場合は、2回以上塗装することを推奨します。

トラブル

主な原因として、以下のことが考えられます。

1.塗装中、天気が悪かった。
 ⇒雨天や高湿度により被塗面が濡れていた。

2.上架時に清水洗いが不十分だった。
 ⇒塩分による付着阻害。

3.ツルツルのFRP面に直接塗装した。
 ⇒ペーパーなどによる面粗しが必要。

4.塗装前の未清掃。
 ⇒ほこり、油、離型剤による付着阻害。

5.旧塗膜との塗り重ね不適正。
 ⇒塗り重ね適正表を確認。(塗り重ね適正表)

6.厚く塗りすぎたことによるクラック発生。
 ⇒製品説明書で適正膜厚を確認。(テクニカルデータシート検索ページ)

7.異種シンナーを添加して塗装した。
 ⇒製品説明書で専用シンナーを確認。(テクニカルデータシート検索ページ)

8.塗装間隔(乾燥時間)が守られなかった。
 ⇒製品説明書で乾燥時間を確認。(テクニカルデータシート検索ページ)

9.下架までの時間が守られなかった。
 ⇒製品説明書で注水までの時間を確認。(テクニカルデータシート検索ページ)

10.異物が混入、又は添加した塗料を塗装した。
 ⇒専用シンナー以外は添加しない。

その他

中国塗料(株)の最寄り営業所 から最寄りの販売店をご紹介いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

全国の主要マリーナや船舶用品を扱っているお店でも購入可能です。

ご購入された販売店より入手をお願いいたします。

ご不明な場合は、 中国塗料(株)の最寄り営業所 にお問い合わせください。

本当です!

ニッポンチャレンジ1回目の艇からオフィシャルサプライヤーとして、軽量パテを含むハル用のウレタン系上塗りを提供していました。現在、該当製品はラインアップしていましたが施工が困難なために除外しています。当時の船底塗料についてはレースに支障が出るため未塗装でした。